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映 画 の 紹 介
企画意図

食べることは単なる消費ではなく、食べることが「地域の食文化や環境を守ることにつながる」という意識を子供達に伝える企画です。

 

『在来作物で味覚のレッスン!』の映像と、作品の意図を組んだ関連事業の構想は、「よみがえりのレシピ」の製作中、また上映活動の中で育まれて来ました。今回は将来を担う子供達に焦点を当てています。

 

「子供の味覚は10歳までに決まる」といわれています。子供時代に育まれた味覚が、その後の食習慣や嗜好(ひいては個人の感性まで!)を方向づけるのです。昔はどこの家庭でもあたりまえに作られていた郷土料理が若い世代に伝承されなくなり、だんだんと消失に向かっている現状。化学調味料やファーストフードに慣れてしまった子供達の味覚や感性は乏しいものになり、地域固有の作物、郷土料理を絶やしてしまうことにも繋がります。

 

この映像には山形のさまざまな在来作物(ざいらいさくもつ ※注1)が登場し、実際に子供達が調理して味わいながら地域の食文化を学ぶ姿や、在来作物を生で食べ比べたり、郷土料理として味わう中で、味覚の五味、甘い、塩っぱい、酸っぱい、苦い、うま味を上手に学ぶことが出来る様子がが描かれています。

 

映像の意図と連動した取り組みとして、郷土の食材や料理を通した食育をテーマとして語る会や、こども向け料理教室の開催、また日本版「味覚教育 ※注2」のテキストを目指した料理本・レシピ集を作成し、映像と共に普及して行き、地域ならではの味覚や感性を育む活動を全国に広げていきたいと思います。

 

この企画により、食べることは単なる消費ではなく、食べることこそが、「地域の食文化や環境を守ることにつながる」という意識を子供に伝えていきたいです。この味覚教育は、子供達が10代の終わりまでに、どのように自分達の地域の魅力を周囲に、また未来へ伝えて行くのかを見出すヒントを提供する1つの試みとしての働きかけのように考えています。地域の食文化への愛着や感謝の念を抱いた子供達は、かけがえのない、地域の食や農業をしっかり支える存在になってもらえるはずです。

 

※注1・・在来作物とは、世代を超えて地域に受け継がれてきた伝統的な野菜や果樹、穀物の総称です。

※注2・・味覚教育とは、フランスやイタリアで国をあげて推進している、子どもの五感を目覚めさせる味覚の教育です。

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